固定概念と伝統、エゴ
スタイリストの髙浦です!
神社などで見られる鳥居。
そもそも鳥居の定義とは2本の柱で建てられており、神域と人間の住む俗界を区別する為のものとされています。
中に不浄なものが入ることを防ぐ、結界としての役割もあると言われます。
人は亡くなると魂が鳥になって空を飛ぶため、その止まり木の為に鳥居が作られたという説もあります。
理由には諸説ありますが、神という存在と私たち人間を区別するという意味合いと不浄のものを遮断するというものが多いです。
それがどういうことでしょう。
こちらガードレールに1つ、その先の水管にも1つ鳥居があります。
…なぜ?
そもそも鳥居に赤(朱色)が多いのは、呪術的な意味合いからきたもの、燃える火や沈む太陽、血の色を表しているそう。
古くから魔除けに使われた色で、じつは、鳥居そのものは私たちが神様へ拝む社殿よりも古くからあるという話。
神社の成り立ちをたどると、元々は、山や海そのものやそこにある岩が神のよりどころとされていたみたいで、鳥居だけが建つ場所があるのもその理由で、やがて社殿などを構えるようになっていったみたいです。
以上を整理すると、最初にガードレールの鳥居がその先の広い土地に対して神的(もしくは呪術的)な意味で建てられ、後から建てた水管にも空間の中にある1つとして、後から鳥居が付け加えられたという流れでしょうか…
何度見ても分かりかねますが、人工物に対して取り付けているということは、良い意味で付けているとは思い難いですね…
長々と説明しましたが、話したいことはそんなことではなく、
この鳥居とガードレール、水管のバランス感が前衛的なアートに見えること。
題にもある通り固定概念と伝統、人間のエゴが邪魔をしますが、そんな意味合いを全て取っ払って真っ白な状態でこの風景を見た時。
配色や質感、アンバランス感が現代アートではないか?と。
ちょっと頭おかしい人に聞こえるかもしれませんが、どの業界もクリエイションにおいて、過去の模倣は創造ではなく、堕落と怠惰を意味します。
もちろん模倣や共感、伝統、旬などの世の中の大きな流れは大事です。
でも、クリエイターはどんな時も、常に新しく独創性のあるものを創造することが存在意義です。
それを失ってしまっては、それはもうクリエイターではありません。
大事なことを再確認できた、そんな瞬間でした🙏